「自分事」にできたのならば






「自分事」にできたのならば


4月になり、新人研修やハラスメント研修などで沢山の方々と関わっています。
そして、強く感じることがあります。
それは、「自分事にすることの難しさ」です。

研修の中で話をしていると、
「やるべきことはやりました」「これ以上どうしたらいいんですか?」
「できない部下の方に問題がある」
といった声が出てくることがあります。

また、「自分にできることは?」という問いに対しても、
「会社が仕組みを考えるべき」といった意見が出ることもある。

どれも間違っているわけではありません。
ただ一つ言えるのは、矢印の向きがそれぞれ違うということです。


自分事にするには“意識”が必要

自分事ってよく聞く言葉ですが、、、
自分事にすることは、自然にできるものではないと思っています。

人は、すでに自分なりに考え、
「自分事として捉えているつもり」、、、というのが大半ではないでしょうか?

だからこそ難しくて、
本当の意味で“自分事”にするためには、
一度立ち止まり、自分の前提を疑う“意識”が必要になります。


なぜ人は「できている」と思うのか

人は基本的に、
自分はちゃんとやっていると思いたい生き物です。

「自分は間違っているかもしれない」
そう思い続けるのは、しんどいからです。

そのため無意識のうちに、
自分を基準にして物事を捉えるようになります。

ここで言う“自分基準”というのは、
「自分は完璧にできている」という意味ではありません。

むしろ、
「まだできていない」と感じている人であっても、
“自分なりにやっている”という前提の中で考えている、ということです。

だからこそ、
自分の枠の外から自分を見ることが難しくなります。

いまの、私たちを取り巻く
・正解が見えにくい
・評価が曖昧
・フィードバックの機会が少ない
こうした環境では、
自分の行動を振り返る機会が減り、
「自分なりにやっている」という感覚が強くなります。

その結果、研修を受けても
知識としては理解しているのに、
自分のこととしては受け取れない。
これは個人の問題というより、
環境や関わり方の問題でもあります。


「自分も違うかもしれない」という視点

では、自分事にするとはどういうことか。

人はつい、
正しいか、間違っているか、
白黒で考えたくなります。

でも現実は、そんなに単純ではありません。

部下にも原因があるかもしれない。
会社の仕組みに課題があるかもしれない。

それでもなお、
「あぁ、もしかしたら自分も、自分事にできていないかもしれない」
そう思えるかどうか。

「いまの自分に、何ができるだろうか」
この一瞬の気づきが、
学びを自分のものにする分岐点になります。


だからこそ必要な関わり方

1回の研修で、人は変わりません。

でも、
「もしかしたら自分のことかもしれない」
そう感じる“引っかかり”をつくることはできます。

そしてその後、どう関わるか。

一度きりの研修で終わらせるのではなく、
日々の対話や関わりの中で、
少しずつ問いを重ねていく。

これが、育成であり、伴走です。

自分事にする力は、
一度の理解では身につきません。

だからこそ、
繰り返し立ち止まって、考える機会が必要なのです。


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