「ゆるブラック」賛否のギャップを考える          − いい会社のはずなのに

最近、「ゆるブラック」という言葉を耳にする機会が増えました。
働きやすい。人間関係も悪くない。残業も少ない。
一見すると“良い会社”のように見える状態です。

それでも、「どこか物足りない」「成長している実感がない」と感じる人がいる。
そして、その中でも特に、成長意欲のある人ほど静かに会社を離れていく。

この「ゆるブラック」は2019年ごろから使われ始めたようですが、
職場を「ゆるい」と感じている若手ほど、短期間での離職意向が高く、
さらに、「このままでは成長できない」と感じている割合も高い。

会社は嫌いじゃない。
でも、このままでいいのか不安になる。

そんな状態が、いま起きています。

では、ゆるブラックは悪なのでしょうか。


ゆるブラックは悪ではない

結論から言うと、私は、

ゆるブラックが必ずしも悪ではない、と考えます。

むしろ、働きやすさや人間関係の安定が整っているという点では、
一定の価値がある状態とも言えるからです。

ただし同時に、
成長実感を得にくい構造になりやすいのも事実です。

そしてその結果、
“成長したい人ほど離れていく”という現象が起きます。

これは偶然ではなく、構造です。


なぜ“ゆるブラック”が生まれる?

ゆるブラックは、意図して作られるものではありません。

多くの場合、
「良い会社にしたい」という想いの積み重ねです。

・強く言いすぎない
・ハラスメントにならないようにする
・辞められないように配慮する

こうした変化は、社会的にも正しい流れです。
実際、労働環境の改善は不可逆的な変化であり、元には戻りません。

ただ、その過程で
「踏み込まない」
「期待を曖昧にする」
という状態が生まれる。

その結果、
働きやすいけれど、鍛えられない職場ができあがります。


「好きなのに辞める」という現象

ここが、ゆるブラックの一番やっかいなところです。

ゆるいと感じている社員ほど
「会社のことは好き」と評価している一方で、
「長く働くつもりはない」と考えている傾向が見られています。

つまり、

好きだけど辞める
嫌じゃないけど離れる

この状態。

さらに、
「このままでは成長できない」と感じている割合も高い。

これは、これまでの離職理由とは少し違います。

つらいから辞めるのではない。
不安だから辞める。

これが、今のゆるブラックの本質です。


問題は「誰が残るか」

ここが一番重要です。

ゆるブラックな組織では、
成長意欲の高い人から抜けていきます。

もっとやりたい人。
もっと任されたい人。
もっと成長したい人。

そういう人ほど、物足りなさを感じるのかもしれません。

一方で、
現状に満足できる人は残る。

その結果、何が起きるのでしょうか。

組織の“平均値”が下がる

しかもこれは、静かに、静かに、進行します。

気づいたときには、
「悪くないけど強くもない組織」になっている。


経営としてどう向き合うか

では、どう考えるべきでしょうか。

ゆるブラックを否定する必要はありません。
ただし、放置はできない、というか、、、もったいないと感じます。

これから、この会社に、

「どんな人に残ってほしいのか」

安定を重視するのか。
成長を重視するのか。

どちらも、間違いではありません。

ですが今一度、
成長したい人に目を向けてみませんか。

ゆるブラックは、
“楽な組織”ではなく、
“方向を決めていない組織”です。

ゆるブラックは悪なのか。

その答えは一つではありません。

そして、それを決めるのは、
現場ではなく、経営なのです。


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