「部下を育てられる上司になりたい」
そう思ったことがある人は、きっと一度は考えたことがあるはずです。
――何か近道はないのだろうか?
――これさえやれば、うまくいく方法はないのか?
忙しい日々の中で、
正解が分からないまま判断を求められ、
それでも「上司なんだから」と頑張っている。
「どうすれば部下は育つのか?」と考えた時、
私たちはつい、すぐに使える「指導テクニック」や「ノウハウ」といった
表面的な近道を探してしまいがちです。
即効性のありそうな答えに目が向くのは、自然なことです。
ただ、結論からいうと
「これをやれば、はい完成!」という近道はありません。
もしそんな方法があるなら、
部下育成で悩む上司は、とっくにいなくなっているはずです。
目次
「近道っぽいもの」に違和感を覚える理由
世の中には、部下育成のノウハウが溢れています。
声かけのコツ、質問の型、褒め方、叱り方、1on1のやり方。
どれも無意味ではありません。
ただ、「これをやれば必ず育つ」には“直結”しないような・・・
それは、部下がマニュアル通りに反応する存在ではないからです。
同じ言葉でも、
言う人・言われる人・関係性・タイミングによって、
受け取り方はまったく変わります。
「正しい方法」をなぞっているのに、なぜかうまくいかない。
その違和感を覚えたことがある、そんな人が多いのではないかと思います。
それでも「近道」を探してしまう理由
とはいえ、近道を探したくなるのも無理はありません。
- 時間がない
- 間違えたくない
- 部下との関係を悪くしたくない
- できれば失敗したくない
短時間で成果を出したい、真面目な人ほどその思いは強い。
そんな時は、近道探すのではなく
探す方向を変えてみるのです。
近道は「部下を変えること」ではない
多くの上司が最初に考えるのは、
- どう言えば部下が動くのか
- どうしたらやる気を出すのか
- どうすれば育つのか
つまり、「部下をどう変えるか」。
でも、現場で数多くの上司と向き合ってきて感じるのは、
部下育成の最短ルートは、部下に向かうことではないということ。
向き先は、
上司である自分自身です。
自分を見直すことが、結果的に一番早い
ここで言う「自分を見直す」とは、
反省会を開くことでも、ダメ出しをすることでもありません。
まずやるのは、
「自分はどんな前提で部下を見ているのか」を振り返ること。
- なぜイライラしたのか
- なぜ納得できなかったのか
- なぜ「分かってほしい」と思ったのか
例えば
・なぜイライラしたのか?
↓
部下が伝えた通りにやらなかった
↓
部下は言う通りに従うべき
というようにここを丁寧に見ていくと、
次の段階として必要になるのが、自分を知るというプロセスです。
自分を知る――「これは自分の考えなんだ」と受け入れる
自分を知るとは、
「自分はこういう考えを持っているんだ」と認識すること。
- こういう価値観を大事にしている
- こういうやり方が正しいと思っている
- だから、あの場面で引っかかった
「正しい/間違っている」という判断は不要です。
まずは、受け入れる。
そして、ここでひとつ大切な気づきが生まれます。
――この考えは、自分のもの。
――部下の考えとは、同じとは限らない。
相手に対しても、「正しい/間違っている」のではなく、
前提が違うだけ。
この「違い」を認識できると、
部下育成は一気にやりやすくなります。
「考えを変えてみる」を選ぶ
自分の考えを知り、相手は同じではない可能性を想定する。
そうすると、
「少し変えてみようか」と選択できるようになります。
- 言い方を変えてみる
- 任せ方を変えてみる
- 期待の置き方を変えてみる
無理に変える必要はありません。
小さく試してみるだけでいいんです。
この流れができると、
部下との関係は、驚くほどこじれにくくなります。
振り返ったときに「結果的に近道だった」と思えたらいい
その時その時は分からなくても、
あとで振り返ったときに、
「あの時、自分の見方を変えたのが結果的に近道だったなぁ」
そう感じられたらいいのではないかと思っています。
近道はありません。
でも、遠回りを減らすことはできる。
部下育成はテクニックの量で決まるものではありません。
どんな姿勢で向き合っているか?の積み重ね。
まずは自分を見直し、知り、そして少し変えてみる。
それが、
いちばん現実的で、いちばん“近道”なのかもしれません。

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