使ってなんぼの、経営理念

「経営理念って、本当に必要なんだろうか?」

そう感じたことがある社長は、決して少なくないと思います。
目の前には、売上、資金繰り、人手不足、取引先対応。
毎日やることは山ほどあって、
「理念を考える時間があるなら、少しでも仕事を進めたい」
というのが正直なところではないでしょうか。

実際、経営理念がなくても会社は回ります。
社員は出社し、業務は進み、売上も立つ。
経営理念は
「余裕ができたら考えるもの」「あったほうがいい気がするもの」として、後回しにされがちです。

実は、私自身もそうでした。
独立して活動を始めた当初、経営理念について深く考えていたわけではありません。
目の前の相談に向き合い、理念よりも「今、何をするか」が優先でした。

その後、さまざまな企業に関わる中で、
人と組織の課題に繰り返し向き合うようになりました。

社員が育たない。
管理職が疲弊している。
社長が現場から離れられない。

表に見える課題は会社ごとに違っていても、深く見ていくと、
課題の大きい企業ほど、同じところでつまずいていることに気づき始めました。
それは、「判断の基準」が組織の中で共有されていないことが多い、という点です。

一方で、経営理念を“使っている”企業は、明らかに、何か、違う。
理念があるだけでなく、日々の会話や判断の場面に、それが自然と登場する。
迷ったときに、「うちの理念に照らすとどうだろう」と立ち戻る。

そうした企業では、社長がすべてを決めなくても物事が進み、
社員が自分の頭で考え、解決に向けて動いているのです。

理念があるかどうかではなく、
理念が使われているかどうか。
この違いが、組織の空気や動き方に大きな差を生んでいる。
現場に関われば関わるほど、そう実感するようになったのです。

「使われていない理念」は、いらない

壁に貼られた立派な言葉。
朝礼で読み上げて終わりの理念。
日々の判断には、まったく登場しない。

もしそんな状態なら、
それは、ないのと同じ、かもしれません。

理念そのものが悪いわけではなく、
問題は、「判断の場面で使われていない」こと。

本当の問題は、理念がないことではない

中小企業の現場でよく見かけるのが、次のような状態です。

・社長の中には明確な判断基準がある
・でも、それが言葉になっていない
・社員は判断できず、確認が増える
・結果として、社長がすべてを調整する

ここで起きているのは、理念不足ではなく、
判断基準が、社長の頭の中にしかない状態です。

社員が悪いわけでも、考えていないわけでもない。
ただ、共有されていないだけなのです。

経営理念の役割は、とてもシンプル

経営理念の役割は、社員を感動させることではありません。
立派な言葉で会社を飾ることでもありません。


迷ったときに、立ち戻る基準をつくること。
それが、経営理念の本質です。

・この判断は、うちの会社らしいか
・短期的に得でも、長期的に見て選ぶべきか
・誰のための判断なのか

こうした問いに、社長一人ではなく、
組織として答えを出せる状態をつくる。
それが、使われている経営理念です。

完璧な理念はいらない

「きれいな言葉にできない」
「壁に飾るほどのモノでもない」
そう感じて理念を“使わない”社長も多いように感じますが、
壮大で完璧な理念は、そもそも必要ありません。

・なぜ、この会社を続けているのか
・これだけは譲れないことは何か
・どんな判断はしたくないのか

まずは、ここを言葉にするだけでも十分です。
整っていなくていい。
使えることのほうが、ずっと大事です。

経営理念は「作るもの」ではなく「育てるもの」

理念は、一度決めて終わりではありません。
会社の成長とともに、少しずつ形を変えていくものです。

最初は、社長の言葉でいい、荒削りでもいい。
判断の場面で使われ始めた瞬間から、その理念は機能し始めます。

まとめ:使ってなんぼの、経営理念

経営理念は、
なくても今日の仕事は回ります。

でも、
これから先、社長が一人で抱え込まないためにも必要です。

人が増え、
価値観が多様になり、
社長の目がすべてに届かなくなるかもしれない。

そのとき、
社長の代わりに判断してくれる軸があるかどうか。
それが、会社の未来を創っていくのだと思います。

経営理念は、飾るものではありません。
使ってなんぼ。

ですよね!?

関連記事

RELATED POST

この記事へのコメントはありません。

PAGE TOP
MENU
お問合せ

TEL:090-6617-2925

(月 - 金 9:00 - 18:00)カスタマーサポート